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【bisCROWN&bizCROWN】連載SS第13回(最終回)公開です


こんにちは、bisCROWN&bizCROWNスタッフの珠之です。
このブログに足を運んでくださる皆様、またお目にかかれて光栄でございます。

更新が遅くなってしまい、誠に申し訳ございません。
毎週水曜日にお届けしてまいりました
bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載ですが、本日が最終回となります。


ラストとなる13回目は、
大人の女性向けシチュエーションCDシリーズ『Reversible』より、
vol.4~真面目カレシ・廉太郎~のSSをお届けします。

Reversible04_h1_350.jpg
:::::::::::::::::::::::::::::
*Reversible vol.4~真面目カレシ・廉太郎~*
発売日:2015年3月27日(金)
出演:高代廉太郎(CV.佐和真中)
価格:2000円+税

<初回生産分特典>スペシャルトラック:アナザーエピローグ~廉太郎を攻めたあと……~収録
<封入特典>リバーシブルポスター

※音声はすべて立体音響効果のあるダミーヘッドマイクで収録しております。
※本作は18歳以上購入推奨作品です。
:::::::::::::::::::::::::::::
.............................
▽Track List▽

Track01.プロローグ
Track02.廉太郎に攻められる
Track03.廉太郎を攻める
Track04.エピローグ

*初回生産分スペシャルトラック
アナザーエピローグ~廉太郎を攻めたあと……~

※初回生産分は数に限りがございますので、
 興味のある方はお早めにお手にとってくださいね!
.............................




※この度のSSは、今週末3/27(金)発売の
 シチュエーションCD『Reversible vol.4~真面目カレシ・廉太郎~』と関連しております。
 ネタバレというほどの要素はないかと思っておりますが
 本編に関わる内容・描写を含んでおりますので、
 もし気になる方がいらっしゃいましたら
 この続きをご覧頂く際にはご注意くださいませ。





...bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載
                     第13回『Reversible vol.4~真面目カレシ・廉太郎~』
...................


2年。
これは先輩と……彼女と自分がお付き合いをしてきた期間だ。
長いようで短く、短いようで長かった2年間。
この時間をより確かなものにするため、
ちょうど2年を迎える今日、俺はひとつの決意を固めていた。



もうすぐ先輩がうちにやってくる。
どうしよう、時間が足りない。あと1時間……せめて30分待ってくれないだろうか。
いやでもこれ以上先輩と会えないのは寂しい。ああでも、今のままでは……。
と思っている間に呼び出し音が鳴る。
先輩だ!
そう思った瞬間、反射的に玄関へ向かって駆け出していて。

「いらっしゃいませ!」

開けたドアの向こうに立っていた先輩は、何か言いかけた笑顔のまま俺を見て目を丸くした。
その視線を追って自分の手元を見た俺も、思わず動きを止める。

「……あ」

俺の手にあるのは赤いバラの花束。
あとで先輩に渡そうと思っていたものだ。
しまった、いい雰囲気になるまで隠しておこうと思っていたのに……。

「あっ、これは違うんです! 
 いや、もちろん先輩に渡すつもりだったんですけど、そうじゃなくて、ええと……」

ごまかそうとすればするほど泥沼にはまっていくようで、観念して花束を差し出す。

「……受け取ってください」

出だしから予定が狂ってしまった。
けれど『すごいね、ありがとう』と花束を受け取ってくれる先輩の笑顔が眩しかったので、
これはこれで良かったのかもと思えた。

「すみません、いきなり玄関先で……どうぞ」

花を抱えてニコニコしながら『お邪魔します』と部屋へ上がる先輩が可愛い。

「あの、先輩……」

お腹空いていませんか? もうすぐ米も炊けるので先に食事でも。
そう伝えようとした時、先輩が提げている買い物袋に気づく。
すると先輩も、玄関脇のキッチンに置いてある煮込みハンバーグ入りの鍋に気づいたようで。
せっかくの先輩の厚意を無駄にしてしまう。
慌てて謝ろうとすると、それより先に先輩が『ご飯、作っててくれたんだ』と目を輝かせた。

「あ、はい……すみません、先に言っておくべきでしたね。
 そうしたら先輩に手間をかけさせることもなかったのに」

『ううん、気にしないで。私も何も言わずに買ってきちゃったし。
 気が合うね、私たち』

段取りが違ってしまった件をこんなにも嬉しそうに表現できるこの人は天才なんじゃないだろうか。
ぼんやりとそう考えていると、先輩がそっと顔を覗き込んでくる。

『私のは晩御飯にしようか。……それまでいてもいい?』

「えっ、いいに決まってるじゃないですか!」

口をついて出た返事はなんだか偉そうな言葉になってしまったのに、
先輩はただ嬉しそうに『やった』と笑う。
……抱きしめたくて手が震えてきた。
いや待て、先輩が来てからまだ5分も経っていないんだ。がっつくのは格好悪いぞ。落ち着け。
こぶしを握って気持ちを抑え込んでいると、先輩がふと花束を見つめた。
『そういえば、水につけておかないとしおれちゃうね』という言葉に、
すかさずキッチンの戸棚に隠していた花瓶を取り出す。

「大丈夫です、これに生けておきましょう。
 俺がやっておきますから」

花束を受け取って包装を解こうとした時、
先輩が慌てたように俺の手をつかんで『リボンほどくの?』と問いかけてきた。

「はい、ほどかないと花瓶に入りませんし……駄目ですか?」

俺の言葉に目を伏せた先輩は、
『ダメじゃないけど、せっかく廉太郎からもらった花束なのに
 すぐ崩しちゃうのがもったいないなって』
と呟く。
好きです!! と叫びそうになるのを咳払いでごまかして、

「じゃあ、こうしましょう」

そう言いながら俺は手早くバラを花瓶に生けたあと、
さっきと同じ形になるようにリボンだけを結び直す。

「すみません、まったく同じにはなりませんでしたけど……これで許してもらえませんか」

結んだリボンを先輩の手に乗せると、
先輩はそれをじっと見つめてから、大事そうに両手で包み込んだ。
『ありがとう』と目元を染める先輩。

「あ……」

もう駄目だ。我慢の限界だ。
そう思うが早いか、俺は先輩を抱きしめていた。

「すみません……俺、ずっと……言おう、言いたいことがあって。
 あの、2年……俺たち……」

伝えたい言葉が一気に押し寄せてきて口の中でこんがらがってしまう。
落ち着け。おかしな伝え方をして先輩を不安にさせないように。
先輩は腕の中で静かに続きを待ってくれているから。
一度言葉を切って深呼吸すると、吸い込む息に合わせて心臓がドクドクと脈打った。
血液が全身を駆け巡り、耳の端がしびれていく。
頭は熱いけれど、大丈夫。さっきまで何度も練習しただろう。大丈夫。
自分にそう言い聞かせて、口を開く。

「ごめんなさい……もう一度、言います。
 今まで、お付き合いをしてきて……
 2年間……いろんな先輩を知ることができたのも、
 今日こうして先輩がうちに来てくれていることも、本当に、嬉しいです。
 先輩にも、たくさん俺を知ってもらえたと……あ、でもこれは俺が勝手に思ってるだけですけど。
 あの、2年って、今思えばあっという間だったような気もしますけど……
 先輩にとっては、もしかしたらすごく長い時間だったかもしれないなと思って。
 その間、ずっとそばにいられた……とは言えないし、
 悲しませてしまったことも、あると、思います。
 だから、これ以上そういう気持ちにさせたくなくて……
 具体的にこうしますって対策を提示できればいいんですけど、
 未来のことはそんなに簡単じゃないから……せめて、ちゃんと言葉にします。
 ……もう、先輩を悲しませたくない。
 これからはずっとずっと、笑っていてほしいんです。
 そのお手伝いを、俺にさせてもらえたらって思うし、
 そのために……一生先輩のそばにいるって、誓いたいんです」

……どうにかここまで言えた。
あと一息だ。
決めるぞ、絶対に……よし!

「俺は……昔も今も、先輩が……大好きです。
 だから先輩……俺と……、……けっ…………!」

その時、テッテラリラリラという陽気なメロディが俺の言葉を遮った。
この曲は……
今、米が炊けた……!
独り暮らしの友である愛用の炊飯器が、初めて憎らしく思えてくる。
ホカホカと蒸気を上げる彼を絶句したまま見つめていると、
先輩が『お米、炊けたのかな』と小さく呟いた。

「そう……ですね」

それしか言えずにいると、あたりに漂う炊き立ての米の香りに腹がグウと鳴る。
なんで俺は……こう……大事な時に……!
うなだれていると、先輩が腕の中でモゾモゾと顔を上げる。
ああ……こんな時まで先輩は可愛い。
その可愛い顔が視界の中でぼやけていく。
今、どんな顔をしているんだろう……眼鏡をかけているのによく見えない。
すると温かい指が俺の目元を拭い、そのまま俺の頬に触れる。
そして……。

『ご飯作ってるとお腹空くよね。
 私もね、ここに来る間にお腹空いちゃったから……廉太郎のご飯食べたいな』

晴れた視界に映る先輩の優しい表情。
告げられた言葉が、じんわりと心に広がっていく。

……そうだった。
先輩は、思いがけないことすらも喜びの形にしてしまえる天才だったんだ。
その証拠にさっきまでの情けない気持ちは吹き飛んで、俺は今、こんなに幸せだ。

「そうですね……先に、ご飯にしましょうか」

笑顔でそう言うと、先輩も笑ってうなずいた。
思い返せば、先輩がやってきてからここまで約9分。
ムードも何もないキッチンで、"結"に続く言葉を言うべきではないのかもしれない。
焦る必要はない。2年目のお祝いはまだまだこれからなのだから。

「じゃあ先輩は座っててください。
 ご飯、すぐ持っていきますから」

意気揚々と鍋に手を伸ばした時、先輩が軽く俺の服を引っ張った。

「はい?」

振り向いた途端、目の前に先輩の照れくさそうな笑みが迫る。
その唇は俺の耳元に寄せられて、かすかな声でこう告げた。

『きっとね、私も廉太郎と同じこと思ってるよ』

「……あ……」

激しい胸の高鳴りを覚えた今が、おそらく先輩を出迎えてから約10分のタイミング。
たった10分でこんなに大きな幸せをくれるこの人は、天才じゃなくて、きっと天使だ。
手を伸ばせば届く場所に天使がいることを、奇跡以外のなんと呼べばいいのだろう。
再び溢れそうになる熱いものをこらえながら、あたたかな身体を抱きしめる。

「……さっきので終わりじゃないですから。
 ちゃんと、また……言わせてくださいね」

小さくうなずく先輩を見つめ直す。
視線がつながると、やっぱり想いが抑えきれなくて……。

「愛してます……先輩」

いつもどこか背伸びする心地になっていたこの言葉を今、目を見て言えたのは
先輩がどんな時もまっすぐ想いを返してくれるから。
最愛の人と正面から見つめ合える……その奇跡を、許される時間の限りで確かめていよう。
そう心に誓って、俺は彼女に口づけた。

END
...............................................................................



ということで、連載SS第13回は『Reversible vol.4~真面目カレシ・廉太郎~』をお送りしました。
真面目カレシ・廉太郎(CV.佐和真中)と迎える
お付き合い2年目のやりとりは、いかがでしたでしょうか。

本編CD発売前の作品のSSをお届けするにあたり
皆様にどういった内容をご覧頂くのが良いのかと頭を悩ませていたのですが、
結果として、連載SS史上最長の文章となってしまいました。
冗長になっていないか心配なのですが、
少しでも廉太郎の人柄や、彼と過ごす雰囲気が伝わっていれば幸いです。

また、SSの前にも記載させて頂いておりますが
この度の内容は、CD本編に関連した描写を含んでおります。
ですので、3月27日(金)発売の本編CDをお買い求め頂く予定の皆様には
ぜひCDをお聴き頂いたあとに改めて当SSをご覧頂けたらなと思っております。

そして、まだ購入をご検討頂いているという方は
公式サイトでサンプルボイス等も公開しておりますので
よろしければお帰りの際に覗いていってくださいね。

●シチュエーションCD『Reversible vol.4~真面目カレシ・廉太郎~』の情報はこちら。



さて、
bisCROWNレーベル発足1周年と
2周年にまたがる記念企画としてお送りしてまいりました当SS連載は
本日をもって終了となります。
今までご覧くださった皆様、誠にありがとうございました!
機会がございましたら、また何かの形で当レーベルのSSをお届けできると嬉しいです。

1つでも皆様の心に残るSSがあったらいいなと夢見つつ、
これからもbisCROWN&bizCROWN作品を愛して頂けるよう願って……。


それでは次回もお目にかかれますように。


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  2. 書き下ろしSS
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【bisCROWN&bizCROWN】連載SS第12回公開です


こんにちは、bisCROWN&bizCROWNスタッフの珠之です。
このブログに足を運んでくださる皆様、またお目にかかれて光栄でございます。

さて、本日は
bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載の公開日です。
※当連載SSは、毎週水曜日更新を予定しております。


12回目の今回は、
大人の女性向けシチュエーションCDシリーズ『Reversible』より、
vol.3~チャラ系カレシ・平磨~のSSをお届けします。

Reversible03_h1_350.jpg
:::::::::::::::::::::::::::::
*Reversible vol.3~チャラ系カレシ・平磨~*
発売日:2015年2月27日(金)※現在販売中
出演:壱木平磨(CV.沖野靖広)
価格:2000円+税

<初回生産分特典>スペシャルトラック:アナザーエピローグ~平磨を攻めたあと……~収録
<封入特典>リバーシブルポスター

※音声はすべて立体音響効果のあるダミーヘッドマイクで収録しております。
※本作は18歳以上購入推奨作品です。
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▽Track List▽

Track01.プロローグ
Track02.平磨に攻められる
Track03.平磨を攻める
Track04.エピローグ

*初回生産分スペシャルトラック
アナザーエピローグ~平磨を攻めたあと……~

※初回生産分は数に限りがございますので、
 興味のある方はお早めにお手にとってくださいね!
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...bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載
                     第12回『Reversible vol.3~チャラ系カレシ・平磨~』
...................


どこかで誰かが言っていた……"3年あれば人は変わる"と。
俺の場合、それには1年足りてないけど
彼女と付き合い出して2年となる今、少しずつ、でも着実に、変わっている。



「ふんふふん、ふふふんふんふ~ん、っと」

自宅に彼女がやってくるのを待ちながら
俺はひとり、洗面所で鼻歌まじりに髪の毛をセットしていた。
前髪の分け目、サイドの毛流れ、そして襟足の無造作感。
今日のために買っておいた新品の服と相まってバッチリだ。

「いやーん、へーちゃんカッコイイー! 
 ってこれ、アイツに言われて嬉しいやつだしオレの馬鹿もう!」

鏡に向かって話しかけている自分が大変気持ち悪い。
でもこの後ふたりで過ごすことを考えるとワクワクが止まらなくて、独り言も止まらない。

「そんじゃ仕上げ、仕上げ……」

髪いじりを終えてポケットに手を入れる。
取り出したのは真っ赤なリボン。それを自分の首に巻いていく。
いわゆる"プレゼントは俺"というヤツだ。
本当はもっとちゃんとしたものを贈りたい。
ただ、去年のお祝いに部屋中をデコレーションしてサプライズ的なことをしてみたところ
彼女は喜んでくれながらも、ある程度の金がかかったことを見抜いて逆に恐縮してしまったようだった。
そんなこと気にしなくても……とは思うけど、
せっかくの記念日にどっちかが遠慮してしまっては楽しくない。
ということで、今年は原点回帰がテーマのプレゼントにしてみたわけだ。
自惚れが過ぎるぞという声も上がりそうだが、
そこで単なるナルシストで終わるのか、相手にちゃんと喜んでもらえるかは俺次第ということ。
やってやろうじゃないですか!!と無駄に気合いを入れて、首のリボンを可愛く結ぶ。
すると、片方の端が長く余ってしまった。

「……あ」

ふとあることを思いついた俺は、余った部分をハサミで切り
それを"とある場所"に巻きつける。

「これでおっけー」

思わずニヤリとした時、ピンポーンと響き渡るチャイムの音。
彼女が来たようだ。

「ナイスタイミング!」

いそいそと玄関に向かい、外に向かって声をかける。

「開いてるよー!」

俺が玄関前に膝をつくとドアが開いた。

「いらっしゃいませ」

三つ指をついて出迎えた俺を見て、目を丸くする彼女。
俺の首のリボンにも気づいたようだ。よしよし。

「今日は付き合って2年のお祝いなのでー、
 座椅子ならぬプレゼントバージョンの平磨クンが
 アナタをおもてなしします!」

呆気にとられていた彼女が、その言葉を聞いて『ありがとう、嬉しい』と笑った。
可愛いなちくしょう!

「おっし、今日の趣旨がわかってもらえたところで……」

そう言って立ち上がり、彼女を抱き上げる。

「そういや腹減ってない? 
 早速メシにする? 俺にする? それとも……俺?」

『それ、3分の2がへーちゃんだよ』と笑う彼女のおでこにキスをして、俺はリビングへ向かった。
その後、やっぱりまずはメシだろうということで、めったに作らない手料理を振る舞う。
我ながらうまくできた食事で腹が満たされると、なんとなくまったりした気分になり
ふたりでテレビを眺めながらイチャイチャして。
他愛ない触れ合いを続けるうちに身体の奥がじんわりと熱くなってきて、俺は彼女の唇に吸いついた。

「んー……なーあ? 
 プレゼントくんが早くもウズウズしてんだけど
 リボン……まだほどいてくんないの?」

唇をはむはむしながらおねだりすると、
彼女は照れくさそうにしながらも俺の首に手を伸ばした。
ゆっくりとほどかれていくリボン。
それが床に滑り落ちるのと同時に、相手を押し倒す。

「ありがと。それじゃあプレゼント、受け取って?」

目を閉じながら顔を寄せ、彼女の胸元に触れようとした……その瞬間。

「いっ……たああああああああ!!!!」

局部に走る激痛に思わず身体を丸める。
『どうしたのっ? 救急車!?』と慌てる彼女をどうにか手で制する。

「ち、違うっ、大丈夫! や、大丈夫じゃないけど……
 リボンが食い込んでるだけ……
 忘れてたけど、実はその……もう1か所、結んでて……あの……アソコに」

情けなくも白状した俺に、しばらく絶句していた彼女が
やがて気抜けしたように笑い出した。
『首だけにしておかないからだよ』というもっともなツッコミに、俺も笑うしかない。

「ごめんなさぁい……だから早くほどいてぇ……」

実はさっきの激痛で若干ヘタれてしまったので
今はもうそこまでキツくはなかったものの、
彼女に触れてほしい下心で甘えてみる。
すると彼女が、ちらりと俺を見てこう言った。

『口で?』

「……へ?」

今のって……まさか、"口でリボンをほどいてくれる"とか……そういうこと? 
目を丸くする俺の前で、じわじわと赤くなっていく彼女の顔。
『何か言ってくれないと恥ずかしいんだけど……』と唇をとがらせる彼女に頬が緩んでいく。

「んもぉ、えっちくなっちゃって~。
 どこで覚えてきたわけ? そんな切り返し」

『こういうの、好きかなと思って』と呟く彼女は、もはや耳まで染めている。

「うん、好き。大好き。最っ高」

そう言いながら抱き寄せて、彼女の耳に口づけた。
『リボン、ほどかなくていいの?』という問いかけに、俺は頷いて応える。
またちょっと下がキツくなってるけど、それよりも今は彼女を抱きしめたかった。
俺を喜ばせようとしてくれるのが、可愛くて。

「変わんないねえ、お前は」

『そこは"変わったな"って言うところじゃないの?』と小さく肩をすくめる彼女。

「ううん、変わんないって」

お前が変わろうとするのは、いつだって俺のためで。
そういうところ、前からずっと変わらない。
そんな気持ちを込めて頬にキスを繰り返していると、彼女がくすぐったそうに目を細めた。

『へーちゃんも変わらないよね』

「俺? 俺は変わったよ」

『そう?』と首をかしげる彼女をぎゅうっと抱きしめる。

……そう。俺ね、変わったんだよ。
自分勝手な変化だと思うけど、俺にとって、2年もの間ひとつのことが続くのは革命に近くて。
そして"変わった俺"は、この関係をもっとずっと続けたいと思ってて。
変わってるようで変わらないお前と、
変わらないようで変わった俺。
正反対だけど、だからこそこれからも繋がっていけるんだって思える。

……なんて、真剣な話をするにも
例のリボンを結んだままじゃお前に嫌われちゃうかもしれないから。

「なあ……リボン、やっぱほどいて?」

微笑んでコクリと頷く彼女に、微笑み返しながら口づけた。
ほどいてもらったらちゃんと伝えよう。
俺を変えてくれた感謝と、今にも溢れ出しそうなお前への愛を。

END
...............................................................................



ということで、連載SS第12回は『Reversible vol.3~チャラ系カレシ・平磨~』をお送りしました。


相変わらずおバカなところのあるチャラ系カレシ・平磨(CV.沖野靖広)の
小さくて大きな変化が覗く2年目のやりとりは、いかがでしたでしょうか。
CD本編をお聴きくださった方も、そうでない方にも
お楽しみ頂けていることを願うばかりです。

そして、先月末より販売中の本作を今回初めて知って頂けたという方は
よろしければ公式サイトで公開中のプロフィールやサンプルボイス等でも
平磨に触れてみてくださいね。

●シチュエーションCD『Reversible vol.3~チャラ系カレシ・平磨~』の情報はこちら。


そんなこんなで約3ヶ月続けてまいりましたこのSS連載も、次が最終回となります。
ラスト第13回の公開は
3月25日(水)を予定しております。
最後もどうぞご覧頂けますと幸いです。


それでは次回もお目にかかれますように。


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【bisCROWN&bizCROWN】連載SS第11回公開です


こんにちは、bisCROWN&bizCROWNスタッフの珠之です。
このブログに足を運んでくださる皆様、またお目にかかれて光栄でございます。

さて、本日は
bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載の公開日です。
※当連載SSは、毎週水曜日更新を予定しております。


11回目の今回は、
大人の女性向けシチュエーションCDシリーズ『Reversible』より、
vol.2~癒し系カレシ・直央~のSSをお届けします。

Reversible02_h1.jpg
:::::::::::::::::::::::::::::
*Reversible vol.2~癒し系カレシ・直央~*
発売日:2014年5月30日(金)※現在販売中
出演:濱崎直央(CV.柏木誉)
価格:2000円+税

<初回生産分特典>スペシャルトラック:アナザーエピローグ~直央を攻めたあと……~収録
<封入特典>リバーシブルポスター

※音声はすべて立体音響効果のあるダミーヘッドマイクで収録しております。
※本作は18歳以上購入推奨作品です。
:::::::::::::::::::::::::::::
.............................
▽Track List▽

Track01.プロローグ
Track02.直央に攻められる
Track03.直央を攻める
Track04.エピローグ

*初回生産分スペシャルトラック
アナザーエピローグ~直央を攻めたあと……~

※初回生産分は数に限りがございますので、
 興味のある方はお早めにお手にとってくださいね!
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...bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載
                     第11回『Reversible vol.2~癒し系カレシ・直央~』
...................


この日をどれほど待ちわびただろう。
今日、最愛の彼女と付き合ってちょうど2年を迎える。
1年目とはまた少し違う感覚……胸に芽生えるひとつの想いを、今はまだそっと隠して。



彼女がうちを訪れてすぐ、その手を引いてソファに座らせた。

「今日は何もしたらダメだよ?」

いつかの夜に彼女が告げた言葉を真似てそう言うと、相手が小さく首をかしげる。

「うちに来たら、いつもあれこれ気を遣ってくれるだろう? 
 だから今日は俺の番。
 言っておくけど、もし俺の言うことを聞かないで
 何かしようなんて考えてるなら、激しめのちゅーの刑だから」

どこか納得いかないという顔をしていた彼女が、
最後の一言を聞いたあと、頬をほんのり染めて大人しくなるのが
抱きしめたいほど愛らしくて、少し歯がゆい。
ここで言うことを聞かないでくれたら、激しめのキスができたのに。

ひとまず彼女の動きを封じることには成功したので、
そこから俺は自分に出来るすべてで彼女に尽くした。
リクエストに沿った夕食作りから始まって、
完成したそれを食卓に並べたあと、あーんと彼女の口元に運ぶ。
食後の片づけを終えてから、入浴はもちろん彼女と一緒に。
髪や身体を洗うのも、ヘアドライも俺の役目で、
風呂上がりにと買っておいたアイスも当然「あーん」だ。
今日は俺が本気で何もさせる気がないと悟ったのか、
恥ずかしそうにしていた彼女が途中から素直に身をゆだねてくれるようになった瞬間は
胸の奥がジンとしびれた。
ああ、嬉しい。すごく嬉しい。

そうして気づけば夜も更けて……。

あとは寝るだけという頃、ふたりで毛布にくるまってぼんやりとテレビを眺めていた。
足の間に座っている彼女は、まぶたが重そうにまばたきを繰り返している。
けれど俺はその逆で……。

指折り数えて待ちわびていた今日。
それと同じだけ、不安だった。
とはいえ、いい加減切り出さないと。

「……ねえ? 
 もうおねむなのに悪いんだけど、ちょっとだけ……いいかな」

振り返る彼女の髪を撫でて、俺はベッドの陰に置いていた紙袋から箱を取り出した。
それは、彼女に贈るネックレス。
実はこれまで、俺から特別に何かをプレゼントしたことがない。
高価なものに限らず、ちょっとしたアクセサリーも、何も。
欲しいものはないのと尋ねても、彼女はいつも静かに首を横に振る。
そして一言、『一緒にいられるのが一番嬉しいから』と言うだけ。
向こうが望んでいないものを無理にあげるのも……そう思って何もせずに来たけれど、
そんな心の奥底に、彼女の優しさを言い訳にする臆病な自分がいることも気づいていた。

ただ、怖いのだ。

身につけるものを贈ること、
それは相手と自分の心がしっかり繋がっているという前提があって初めて喜ばれるのだと知っている。
だからこそ、独りよがりの気持ちを押しつけることになったらどうしようと……
彼女がいなければ生きる意味を見いだせなかったこんな自分が
何かを贈ったところで、本当に喜んでもらえるのだろうかと……怖くて。

けれど、共に過ごしてきた2年という時間が、俺に少しだけ勇気をくれていた。

「開けてみて」

手渡した箱を開けるように促し、その様子を見守る。
彼女は戸惑い気味にこちらを見つめたあと、ゆっくりと包装をほどいていき
箱の中を見てハッと視線を上げた。

「これはね、"ありがとう"の気持ちだよ。
 いつもそばにいてくれて……俺に幸せをくれてありがとう。
 ……それと……」

そこで一度言葉を切って、ネックレスを手に取る。

「これからも……ずっと一緒にいられますように」

そう言いながら彼女の胸元に華奢なチェーンを乗せた。
うなじの方へ腕を回し、小さな留め具をかける。
その手がかすかに震えていて……彼女に見えない位置で本当に良かった。
ネックレスをつけ終えて身体を離すと、彼女のまなざしと出会う。
まっすぐな瞳。その奥が光って揺れていて、胸が締めつけられる。

「……受け取ってもらえる?」

どうにかそう伝えると、やがて彼女が口を開いた。

『"ずっと一緒"の気持ちなのに、貰うのは私だけ?』

「……え?」

予想外の問いかけに反応できずにいると、相手の言葉が続く。

『今日みたいにいろいろしてもらえるのも、このネックレスも、
 すごく嬉しいけど……私が貰うばっかりは嫌。
 私だって何かしたいし、あげたい』

その言葉とともに、彼女は俺の薬指をきゅっと握った。

『だから次は……私も買って、ふたりで交換できるものがいいな』

ワガママかな。そう言って目を伏せる彼女。
そのしぐさに熱いものが込み上げて、俺は彼女を抱きすくめた。
やわらかな髪、頬、耳に何度も口づける。
どこが"ワガママ"なんだろう。
こんな可愛いお願いをワガママだと言うのなら、俺の人生にはきっともう幸せしか訪れない。

ずっとずっと、怖かった。
俺は君を支えるにふさわしい人間なのかと。
けれど他でもない君が、"次"という未来をくれるなら。

「……じゃあ、約束」

彼女の左手とともに、包装に使われていたリボンを取り上げる。
それを薬指に2回巡らせて、蝶々結びをした。

「次に贈るのは、ここにつけるもの……ね」

顔をほころばせて頷いた彼女は、
余ったリボンの端を俺の左手の薬指に結わえる。

『おそろいの、ね』

彼女の言葉に、自然と笑みがこぼれた。
再び彼女を抱き寄せて膝に座らせると、リボンで繋がる左手が重なり合う。
その手を握って、指をからめて、もう一度笑みを交わして。

1年目は、ふたりでいられる幸せをただただ噛みしめていた。
2年目は、もっとずっと一緒にいたいという願いを抱いた。
そしてこれからは、君と同じ方を向いて、ともに歩んでいけたら。
新しく生まれた想いを胸に、俺は薬指のリボンに口づけた。

END
...............................................................................



ということで、連載SS第11回は『Reversible vol.2~癒し系カレシ・直央~』をお送りしました。

Reversibleシリーズの癒し系カレシ・直央(CV.柏木誉)との
未来につながる2年目の夜のやり取りは
お楽しみ頂けましたでしょうか。

本作のリリース告知時から
「癒し系ならぬ、"いやらし系"なのでは」と各所で言われていた直央ですが、
心身ともに、誰よりも深い愛であなたを包み込んでくれるはずなので
よろしければ本編CDも含めて愛して頂けたらなと思います。

そして本作をお聴きになったことがないという方は、
サンプルボイスも公開中の公式サイトで
直央に出会ってみて頂けると嬉しいです。

●シチュエーションCD『Reversible vol.2~癒し系カレシ・直央~』の情報はこちら。



次回、連載SS第12回の公開は
3月18日(水)を予定しております。
来週もぜひご覧くださいませ。


それでは次回もお目にかかれますように。


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◆bisCROWN・bizCROWNレーベルサイト◆
http://www.asgard-japan.com/biscrown/

▽YES×NO サイト
http://www.asgard-japan.com/biscrown/yn/

▽東浦家の休日 サイト
http://www.asgard-japan.com/biscrown/kyujitsu/

▼Reversible サイト
http://www.asgard-japan.com/biscrown/re/

▼きみと、はじめて。 サイト
http://www.asgard-japan.com/biscrown/kimihaji/

★スマホアプリ『らぶらぶつんつん』サイト★
http://www.asgard-japan.com/biscrown/lovetsun/

◇リリース中のタイトル一覧はこちら◇
http://www.asgard-japan.com/biscrown/pro
  1. 2015/03/11(水) 17:26:46|
  2. 書き下ろしSS
  3. | トラックバック:0

【bisCROWN&bizCROWN】連載SS第10回公開です


こんにちは、bisCROWN&bizCROWNスタッフの珠之です。
このブログに足を運んでくださる皆様、またお目にかかれて光栄でございます。

さて、本日は
bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載の公開日です。
※当連載SSは、毎週水曜日更新を予定しております。


10回目となる今回は、現在新作リリース中の
大人の女性向けシチュエーションCDシリーズ『Reversible』より、
vol.1~俺様カレシ・尊~のSSをお届けします。

Reversible01_h1_350.jpg
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*Reversible vol.1~俺様カレシ・尊~*
発売日:2014年4月25日(金)※現在販売中
出演:弓場尊(CV.土門熱)
価格:2000円+税

<封入特典>リバーシブルポスター

※音声はすべて立体音響効果のあるダミーヘッドマイクで収録しております。
※本作は18歳以上購入推奨作品です。
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▽Track List▽

Track01.プロローグ
Track02.尊に攻められる
Track03.尊を攻める
Track04.エピローグ

※2015年3月現在、通常版のみのお取扱いとなっております。
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...bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載
                     第10回『Reversible vol.1~俺様カレシ・尊~』
...................


夜。
さっきからずっと、俺は待っている。

「まだ?」

俺の問いかけに、『まーだ』という彼女の返事。

「おっせえよ……」

そう呟くと、『そんなすぐにはできないよ』と彼女が笑った。
別に付き合って2年目だからって晩飯にこだわる必要ないだろ。
と言おうとした途端、向こうから
『おいしいもの作れって言ったの、尊なのに』
と先回りされてしまい、口をつぐむ。エスパーかお前は。
何も言うことがなくなり、ローテーブルに頬をつけてキッチンを見つめる。
視線の先には、やけに嬉しそうな顔で2人分の皿を取り出すアイツの姿。
……そんなに楽しみだったんだろうか、今日。
そういえば、昨日までに用事は全部終わらせたと言っていた。
うちへ来る前に電話で何が食べたいか訊いてきて、"なんでもいいから美味いもの"と返すと
『そういうのが一番困る』と言いながらも笑っていた気がするし。
そういうのはまぁ、うん。いい。
それはいいとして、長いこと待ってるんだぞ。この俺が。
気づけ、気づけと念じながら彼女の背中を見つめていると
いつも見る角度と違うせいか、胸がモヤモヤ……というかムラムラしてきた。
もうダメだ。限界。
勢いをつけて立ち上がり、いつも6歩の距離を4歩で進んで彼女を抱き寄せる。

「メシ作るの中止」

何か言いかけるのを遮ってコンロの火を切り、元いた場所へ引っ張っていく。
ベッドの端に腰掛け、彼女は自分の足の間に座らせて、
俺は上着のポケットに入れていたものを取り出した。

「ん」

リボンのかかった箱を見て、彼女の目が丸くなる。

『プレゼント、用意しててくれたの?』

何驚いてんだ、コイツは。……まぁ去年は何もやらなかったけど。
今日は2年目のお祝いだからと、自分だって張りきって料理をしていたくせに
プレゼントを用意していただけでそんなに驚くなんて俺に失礼だと思わないのか。

「ずっと渡そうとしてんのに……いつまでたってもこっち来ねえから」

ぼやく俺に『ごめんね』と微笑んだ彼女が
『あ、だから今日ずっとソワソワしてたんだ』とか言い出すから、
今度は俺が目を丸くする番だった。

「はあっ? それわかってて、なんでメシ作り始めんだよ!?」

『尊、お腹すいたら不機嫌になるから先にご飯作ったほうがいいかと思って』

またコイツは……こっちが何も言えなくなることばっか言うし。ホント生意気。
まだそんなに腹減ってないけど不機嫌だぞ、いま俺は。

「いいから開けろよ、それ」

プレゼントの箱を視線で示すと、彼女は頷いてリボンをほどいた。
こっちがじれったくなるほどゆっくり丁寧に包装を開けていって……
中から顔を覗かせたのは、シルバーのブレスレット。
コイツがこういうのに興味あるのかなんて知らない。
ただ、この前買い物行った時に見つけて、これをつけて笑う顔が浮かんだから買ってみただけで。

「気に入らなくても文句言うなよ」

俺の言葉に、彼女は首を横に振って『ありがとう、可愛い』と笑った。
いいのは当たり前だ。俺が選んだんだから。
少しだけ満足する俺の腕の中で、ブレスレットを見つめながら箱を大事そうに手で包み込む彼女。

「つけないのかよ」

彼女は何か考えるようにしたあと、
『さっきまで料理してたし、ちゃんと手を洗ってからのほうがいいかなって』と目を細める。
なんだよ……これをつけて笑う顔が見たいのに。

「なら、俺がつけてやる」

え、という声に構わず俺はブレスレットを取り上げた。
手首を出させて、すばやくつけて……と思ったのになんだこのフック、全然引っかかんねえ。
どうにか留め具がかかって手を離すと、細い鎖が彼女の手元で揺れる。

「ん、いいんじゃねえの」

しかし彼女は無言で自分の手首を見つめたまま。

「……なんか言えって」

軽く頭をぶつけてやると、ようやく彼女がこっちを向いた。
けど笑っていない。……まさか、本当に気に入らなかったとか?
胸の奥がヒヤリとするのを感じながら見つめ返していると、やがて目の前の顔がくしゃりとゆがんで……。

『ごめん、なんか……ありがとうしか言えない』

そう呟く声が少し震えていて、こっちまで言葉に詰まってしまう。
なんだこれ、恥ずかしいぞ……くそ。
思わず目を伏せながら、俺は彼女が持っていたリボンを抜き取った。
それを相手の両手首に巻きつけて、少しきつめに結んでやる。

「アレだ……こっちのが似合うかもな、お前には」

目を瞬かせる彼女からブレスレットの箱を取り上げて、
束ねられたその手を俺の首にかけさせて。

「腹減った」

そう言って、彼女の唇に歯を立てた。
『ご飯は?』という言葉ごと、相手の舌を貪っていく。

このままキスをし続けて、コイツが目を開けなければいい。
たぶん今、俺の顔はみっともないことになっているから。

そうしてお互いの唇が濡れる頃には、さっきの照れくささとは違う熱が全身に広がっていた。
抱きしめる彼女の身体も熱っぽくなっていて、
その熱をもっと高めてやりたくて口づけを移動させていく。
そっと目を開けると、なぜか彼女が笑ってこっちを見ているから
また恥ずかしくなって唇に噛みついて。
そのとき視界の端に映ったチェーンは、リボンと絡んで光っていた。

END
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ということで、連載SS第10回は『Reversible vol.1~俺様カレシ・尊~』をお送りしました。

このSS連載もいよいよ2ケタに突入致しまして、
Reversibleシリーズの俺様カレシ・尊(CV.土門熱)が登場です。

本作のタイトルとともに
公式サイト上でも『俺様』とご紹介させて頂いているものの、
皆さまからお寄せ頂くご感想では『お子様』と評されることが多い尊との
付き合って2年目のやりとりはお楽しみ頂けましたでしょうか。

偉そうで我儘ではありますが、あなたに対する想いは人一倍強い尊を
少しでもいいなと感じて頂けましたら、
ぜひぜひCD本編の彼にも会いにいって頂けると嬉しいです。

また、本作をお聴きになったことがないという方は
公式サイトでサンプルボイスも公開しておりますので
まずはこちらで尊に触れてみて頂けますと幸いです。

●シチュエーションCD『Reversible vol.1~俺様カレシ・尊~』の情報はこちら。



次回、連載SS第11回の公開は
3月11日(水)を予定しております。
来週もぜひご覧くださいませ。


それでは次回もお目にかかれますように。


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▼Reversible サイト
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▼きみと、はじめて。 サイト
http://www.asgard-japan.com/biscrown/kimihaji/

★スマホアプリ『らぶらぶつんつん』サイト★
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◇リリース中のタイトル一覧はこちら◇
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  1. 2015/03/04(水) 13:53:35|
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【bisCROWN&bizCROWN】連載SS第9回公開です


こんにちは、bisCROWN&bizCROWNスタッフの珠之です。
このブログに足を運んでくださる皆様、またお目にかかれて光栄でございます。

さて、本日は
bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載の公開日です。
※当連載SSは、毎週水曜日更新を予定しております。


9回目となる今回は、
"はじめてのお泊まり"疑似体験CD『きみと、はじめて。』のSSをお届けします。

kimihaji_h1_350.jpg
:::::::::::::::::::::::::::::
*きみと、はじめて。*
発売日:2014年9月26日(金)※現在販売中
出演:田邊晶偉(CV.寺竹順)
価格:2000円+税

※音声はすべて立体音響効果のあるダミーヘッドマイクで収録しております。
※本作は18歳以上購入推奨作品です。
:::::::::::::::::::::::::::::
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▽Track List▽

Track01.この部屋で、朝まで
Track02.離れがたくて、ずっと
Track03.入浴は、別々に
Track04.胸のうち、見せあって
Track05.君と、初めて……
Track06.夜にこみあげる愛おしさ

*初回生産分スペシャルトラック
はずかしくてうれしい朝

※初回生産分は数に限りがございますので、
 興味のある方はお早めにお手にとってくださいね!
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...bisCROWN&bizCROWN書き下ろしSS連載
                          第9回『きみと、はじめて。』
...................


この部屋に、コイツはもう何回泊まったんだろう。
彼女と付き合ってきた2年間、俺たちはたくさんの夜を一緒に過ごしてきた。
嬉しいことも楽しいことも、もちろんそうじゃないこともいろいろあったけど、
ふたりで過ごした時間は少しずつ胸に降り積もって、どれもかけがえのない思い出になっている。
そんな日々のひとつの節目として、付き合ってちょうど2年目となる今日
俺は泊まりに来ている彼女にあることを告げようと決めていた。

……決めていたのだけれど、夜になった今もまだ言えずにいる。

いや、言えてないんじゃない。元々、寝る前に言うつもりだったんだ。
こういうのはやっぱり静かな中で言ったほうがいいような気がするし。
だから……言うぞ。……よし!

「そろそろ寝るか」

意気込みもむなしく、口から出たのは思いと違う言葉。
『この番組、最後まで見るんじゃなかったの?』と彼女に言われ、気まずさに襲われる。

「あ……そう、そうだった。うん」

俺は隣が見られないまま、テレビ画面に視線を戻した。
今のは少し不自然だっただろうか。
彼女の様子はわからないけれど、なんとなくこっちを見ている気がする。
落ち着かないのをごまかすためモゾモゾと座り直すと、わずかに肩が触れ合う。
ドキリと跳ね上がる心臓。
さりげなく身体を離すと、少ししてからまた肩が触れた。
離れた分、彼女が身体を寄せてきたのだ。
嬉しい反面、今くっついていると緊張が伝わってしまいそうで再び距離を置く。するとまた彼女が寄り添ってきて。
おかしいな。いつもならこういうことはあまりしないのに。

「なあ、何か……」

口を開きながら隣を見ると、そこには戸惑うような彼女の瞳があった。
『どうかした?』と尋ねる声が不安げに揺れている。

「あ……ごめん、なんでもない」

とっさにはぐらかすと、相手の表情がみるみる曇っていく。

「や、なんでもなくない。なくないんだけど……あー……」

まだあとちょっとだけ心の準備が整わないせいで、次の言葉が出てこない。
違う、言いたいのはこんなことじゃない。そんな顔をさせたいわけじゃないのに。
反射的に手を伸ばすと、同時に彼女もこっちに手を伸ばしてくる。
そのまま胸元に飛び込んできて……。

「えっ?」

予想外のことに反応できず、気づけば俺は床に仰向けになっていた。
そして上から潤んだ瞳に覗き込まれる。
まるで押し倒されているような体勢に、カッと熱くなっていく頬。
同じように頬を赤くした彼女は、恥ずかしさを堪えるように唇を噛み、小さな声でこう言った。

『ちゃんと言ってくれるまで、寝かせない』

「なっ……」

コイツは自分の威力がわかってないんだ。
今の一言と俺を見つめる瞳に、胸の中で繰り返していた言葉や意気込みなんか
全部吹き飛ばされてしまったことも……わかってない。

「ばか……!」

彼女の身体を抱き寄せてキスをした。
風呂上がりでまだ少し湿っている髪も、しっとりした肌も、パジャマ越しに伝わる体温も、俺の頭を真っ白にしていく。
何度も、何度も……唇がしびれるまで、夢中で、何度も。
そうしてお互いの吐息が熱く混ざり合う頃、ゆっくりと顔を離して。
彼女の瞳がさっきまでとは違う光を帯びているのに心を揺さぶられ、またキスをして。
やわらかい感触が名残惜しくて、わずかに唇を触れ合わせたまま口を開いた。

「なあ……俺と……一緒に、暮らそう?」

告げた言葉は、恥ずかしいほど甘ったれた声になってしまったけど。
俺を見つめる瞳が驚きに見開かれたあと嬉しそうに細められたので、この表情が見られただけでもういいやという気分になる。
少しずつ胸の高鳴りがおさまると、逆に照れくささが込み上げてきて……。

「これからまた、よ……よろしく?」

冗談めかした言葉を彼女が『……よろしく?』と真似てきて、俺たちは同時に吹き出した。
それからもう一度口づけを交わす。
何度も同じ夜を過ごしてきたこの部屋で……今日また新たな気持ちで。
重なり合う唇は、初めて共にしたあの夜のように、お互い少し震えていた。

END
...............................................................................



ということで、連載SS第9回は『きみと、はじめて。』をお送りしました。


今週からはbizCROWNレーベル作品のSSをお届けしてまいりますが、
トップバッターの『きみと、はじめて。』はお楽しみ頂けましたでしょうか。
あなたのことが大好きなあまり素直になれなかったりする
器用で、ときどき不器用な彼氏・田邊晶偉(CV.寺竹順)との恋愛模様を
ぜひ今回のSSと本編CDあわせて、お楽しみ頂けますと幸いです。

また、本作をお聴きになったことがないという方は
よろしければ、サンプルボイスも公開中の公式サイトを覗いていってくださいね。

●シチュエーションCD『きみと、はじめて。』の情報はこちら。



次回、連載SS第10回の公開は
3月4日(水)を予定しております。
来週もぜひご覧くださいませ。


それでは次回もお目にかかれますように。


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▽YES×NO サイト
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▼Reversible サイト
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▼きみと、はじめて。 サイト
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◇リリース中のタイトル一覧はこちら◇
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